焼きそばパンで地元をPR、片手でも食べやすく工夫　群馬・太田市立太田高生がパン店とタッグを組んで開発　28日に販売

地元に根付く食の魅力を発信しようと、群馬県太田市立太田高（堀越晋校長）商業科の3年生5人は、同市のパン店「ベーカリーズキッチンオハナ太田内ケ島店」と協力して、焼きそばパンを開発した。同校の課題研究授業の一環で、生徒がプロデュースした商品を同店が製造する。28日に東武太田駅北口付近で行われる「キタグチタウンイベントマルシェ」で生徒らが販売するほか、8月は同店でも購入することができる。商品は税込み300円。

高校生のアイデアを通じて地域の発展に貢献しようと、同店が昨年、同校に商品開発を持ちかけた。今春卒業した3年生は地元名物の焼きそばを使用したパンを発案。企画を引き継いだ本年度の3年生が、同店から助言を受けながら材料や作り方などを決めた。

完成した新商品は、焼いたパンに具材を挟んだ一般的な焼きそばパンと異なり、片手でも食べやすいよう、具材をパン生地に包んで焼く「包餡（ほうあん）」を採用。焼きそばの風味がパンに移り過ぎないよう、具材と生地の間にチーズを挟み、素揚げしたジャガイモもトッピングした。

今月9日、同校で販売に向けた打ち合わせが行われ、同店を運営するパン製造販売の「Tatta（タッタ）」（伊勢崎市）取締役の中村浩之さん（56）が試作品を持参。商品に貼るシールのデザインや、イベントで同時に販売するラスクの作り方について意見を出し合った。中村さんは「エネルギーのある若い方と手を取り合い、地域おこしにつなげたい」と意欲をにじませた。

商品開発のリーダーを務める同校の金井優奈さん（17）は「開発を通じて地域の方と協力する得難い経験ができた」と手応えを感じた様子だった。