母と姉妹失った“孤児”ヒツジ「ちびちゃん」 ミルクで保育 群馬・甘楽町

上毛新聞
2024年6月2日

群馬県甘楽町の主婦、高野さとみさん(65)が貸農園「甘楽ふるさと農園」(同町上野)で、母親と双子の姉妹を失った子ヒツジにミルクを与えるボランティアに取り組んでいる=写真。家族を失い、弱っていた子ヒツジは元気を取り戻しつつあり、地域の話題となっている。

6日に生まれた子ヒツジはメスと見られ、高野さんは「ちびちゃん」と呼んでいる。高齢だった母親は出産を機に、一緒に生まれた子ヒツジも出産直後にそれぞれ死んだ。同園では産まれた子ヒツジを約1カ月、母子専用の小屋で育てているが、「ちびちゃん」は現在、1匹で過ごしている。

農園を利用していた高野さんは「顔を見たらほっとけなかった」と、毎日3回ミルクを与えるようになった。「最初は飲む力が弱かったが、今は催促されるほど。早く外の世界を見せてあげたい」と話す。

同園のヒツジは毎年春に出産し、現在は12頭がいる。誰でも自由に見学することができる。

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