漫画「木村安兵衛」が完成 あんパン発明、副読本に 茨城・龍ケ崎市

茨城新聞
2024年6月2日

あんパンの発明者で、茨城県龍ケ崎市とゆかりある木村安兵衛(1817~89年)の功績を描いた漫画「〝あんパン〟の生みの親 木村安兵衛」が完成した。地域への関心や郷土愛を育もうと、市が5000部を製作した。市内の小学4年生に副読本として配布するほか、市立図書館などにも置く。

安兵衛は田宮村(現牛久市)生まれ。小貝川沿いにあった川原代村(現龍ケ崎市)の木村家の婿養子となり、農業を営んでいた。しかし相次ぐ水害に悩み、50歳ごろに新たな商売を求めて江戸へ。パン作りと出合い、69(明治2)年、老舗パンメーカー「木村屋総本店」(東京)の前身となる「文英堂」を、現在の新橋付近に開店した。

漫画では、安兵衛と息子の英三郎があんパン作りに試行錯誤する様子や、最初の県参事(知事)を務めた山岡鉄舟の仲立ちで、あんパンを明治天皇に献上する場面などが描かれている。

漫画は公益財団法人B&G財団(東京)の「ふるさとゆかりの偉人マンガの製作と活用事業」の助成を受けて製作した。作画は市出身の漫画家、きむらひろきさんが担った。

市教育委員会は今後、電子図書館へのデータ掲載や漫画を活用した展示、イベントの開催を計画している。