「諸川宿」巡る拠点に 古河、「いこいの広場」完成
旧日光東街道沿いにある古河市諸川の諸川商店街の一角に、ポケットパーク「諸川宿いこいの広場」(約150平方メートル)が完成した。江戸時代に栄えた諸川宿の歴史について解説された石版やあずまや、ベンチなどが設置され、街歩きの拠点としての役割が期待されている。竣工(しゅんこう)式が17日、同所で開かれ、商店街や市議、市職員ら関係者約40人が出席し、一層の地域活性化を誓った。
ポケットパークは県道結城野田線沿いの交差点の一角の借地で、商店街の無料駐車場に隣接。地面はブロック張りで、しっくい風の塀や常夜灯、水飲み場や植栽が設けられた。市は2016年度の事業として実施。総工費は1229万円。
諸川は1600(慶長5)年、関ケ原の戦いに先立つ徳川家康の会津出兵に帯同した武将、山内一豊が宿陣したことでも知られている。一豊は、石田三成の挙兵を伝える大坂の妻からの密書を同所で受け取り、現在の栃木県小山市に宿陣した家康に伝えたことで立身の糸口をつかんだ。さらに諸川は、江戸幕府により日光東照宮社参の脇街道「日光東街道」の宿場町として整備され、現在もしょうゆ醸造元の蔵など古い街並みが多く残されている。
完成したあずまやには、大正や昭和初期の諸川の繁栄を伝える古い写真が展示された。式に出席した針谷力市長は「歴史をもっと大切にしながら街づくりを進めなければいけない。ここが素晴らしい場所になっていくことを祈念したい」とあいさつした。
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