<栃木・県南グルメ>クワカンワット(足利)ガパオライス 夫婦の絆でよみがえった人気店の味

下野新聞
2024年3月3日

「お客さんから言われる『おいしい』の意味が初めて分かった」。オーナー五十木節子さん(54)は自ら腕を振るい始め、言葉の裏にある深い意味を知った。

店はもともと、国宝鑁阿寺の隣にあった。調理担当の夫治好さんに病気が見つかり、2021年春から休業に。治好さんは「フライパンを持って死ぬ」と復帰を望んだが、22年2月に61歳で亡くなった。17年続いた店を閉めざるを得なかった。

民間企業に一時勤めたが、知人からの「あの味を食べたい」との声に後押しされ、厨房に立つことを決意。1人でできるよう、こぢんまりとした現店舗で23年3月に営業を再開した。

1番人気は「ガパオライス」(1000円)。エビと鶏肉、豚ひき肉から選べるメインの食材と、キノコやタマネギ、パプリカなどとのバジル炒めは、スパイシーで病みつきになる。半熟の目玉焼きを崩して、黄身を絡めて食べるのもいい。

治好さん直伝のレシピは、夫婦で何度も行ったタイで食べた味をアレンジしたものだ。「メニューの数々は夫の形見のようなもの」と振り返る節子さん。「おいしい」の一言は、夫婦の絆にも向けられた言葉だった。

▼メモ 栃木県足利市通2丁目2748の19南銀座名店街1階。正午~午後3時。午後5~10時。火曜定休(不定休あり)。(問)090・3141・3036。店舗インスタグラムは@kuwakanwatto_

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