会場に笑い、狂言楽しむ 茨城・日立 解説や体験会も

茨城新聞
2024年1月25日

重要無形文化財保持者の三宅右近さんが主宰する三宅狂言会の狂言鑑賞会(茨城新聞社、げんでんふれあい茨城財団主催)が20日、茨城県日立市千石町の多賀市民会館で開かれた。演者の軽妙なやりとりに会場は笑いに包まれ、約200人が古典芸能を楽しんだ。

冒頭、狂言が室町時代に誕生したことや世界無形文化遺産に登録されていることなどを演者が紹介。昔ながらの言い回しや舞、舞台の仕組みなど楽しく鑑賞できるポイントを演目「瓜盗人(うりぬすびと)」を題材に解説した。

その後、「梟山伏(ふくろやまぶし)」「舟渡聟(ふなわたしむこ)」の2演目を上演。梟山伏はフクロウにとりつかれた男を山伏が祈禱(きとう)で治そうとするあらすじで、鳴き声を発する男や山伏が祈禱に失敗するなど笑いを誘った。舟渡聟は酒好きの船頭が舟に乗った男を婿とは知らずに強引に酒を振る舞わせ、決まりが悪くなる姿をコミカルに表現した。

また、狂言の体験会も行われ、登壇した子どもら3人が演者に続き所作やせりふを披露し、観客から拍手が送られた。

伝統文化に興味があるという東海村立中丸小6年、山下冬馬君(12)は「理解できるか不安だったけど、面白おかしくて、見ていて飽きなかった。また、見たい」と目を輝かせた。