地元高級米で吟醸酒 茨城・石岡の広瀬商店 ラベルに市ゆかりの獅子頭

茨城新聞
2023年12月6日

日本酒「白菊」の酒蔵、広瀬商店(茨城県石岡市高浜、広瀬慶之助社長)は、同市小屋の農産物生産者、岡田ファーム(岡田弘代表)が栽培する高級食用米の希少品種「いのちの壱(いち)」を全量使った純米吟醸酒「白菊 獅子舞ラベル」を発売した。石岡産の原料から市ゆかりの獅子頭を配したラベルまで地元にこだわり、石岡づくしをアピールする。

いのちの壱は、コシヒカリの突然変異種で粒が大きく甘みと歯応えがあり、全国のコンテストで上位を占める主食用米。岡田代表は2018年から栽培を始めた。筑波山麓の寒暖差の大きい水田で育て、5年間で2度、全国コンテストで優良金賞を受賞した。

この米で日本酒を造れないかと昨年2月、岡田代表が広瀬社長に打診。米粒が「国内産米としては知る限り一番粒が大きい」(広瀬社長)こともあり製品化を決めた。昨秋収穫分1.2トンを受け入れ、昨年末に本格的に製造を開始。蒸しや麹(こうじ)造りなどの工程を経て、今年3月に完了し、半年間の熟成により程よい味と香りに仕上がった。生産量は720ミリリットル瓶で約2千本。9月の常陸国総社宮例大祭(石岡のおまつり)で振る舞い、好評だったという。

純米吟醸酒「白菊 獅子舞ラベル」を持つ広瀬慶之助社長(右)と岡田弘代表=石岡市内

岡田代表は「筑波山麓の恵まれた風土を全国に伝えたいと作った米で新しい展開になる」と期待。広瀬社長は「原材料からラベルまで石岡らしく誇れるものができた」と新たな土産品の完成を喜んでいた。

価格は、1.8リットル瓶で税込み3850円、720ミリリットル1925円、カップ酒550円。石岡市内の酒店やJR石岡駅のコンビニ「ニューデイズ」で取り扱う。

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