前橋の銘菓「片原饅頭」が復活 承継した社長「次の200年に残していく」
群馬県前橋市の銘菓として親しまれながら、製造を終了した酒まんじゅう「片原饅(まん)頭(じゅう)」が、装いを新たに約3年ぶりに販売を再開する。閉店した前店舗から星野聡志さん(51)が社長を務める会社が事業承継し、10月3日から同市城東町に前橋本店を開店する。約200年伝わってきた菓子を復活させる星野さんは「次の200年に向けて残していきたい」と力を込めている。
【関連記事】復刻の「片原饅頭」あす閉店 惜しむ声 “前橋の味”継承を
片原饅頭は、1832年に創業した片原饅頭志満(しま)屋本店(同市千代田町)が販売して名物となったが、後継者不足で1996年に閉店。その後、2004年に製造が再開されたものの、経営者の体力低下などを理由に20年11月に閉店した。
星野さんは就業支援を手がけるワークエントリー(高崎市旭町)の社長で、県事業承継・引継ぎ支援センター(前橋市亀里町)から片原饅頭を紹介された。復活させることを21年秋に決め、22年1月に同社の子会社として「片原饅頭」を設立した。
まんじゅうは無添加で、生地の発酵時の温度管理などに高い技術が求められる。伝統製法を企業が確立した管理方法で残すことに意義を感じている星野さんは、製造に機械を導入しながらも、往事の味を失わないよう強く意識した。27日の同市の定例会見でオープンを告知した星野さんは「新生まんじゅうとして温かく見守ってもらい、皆さまの『おいしい』が聞ければうれしい」と話した。
新店舗は広瀬川サンワパーキング1階東側。当面は6個入りのみの販売で、価格は1250円。予約販売優先で、売り切れ次第終了する。予約はオープン日から同店(☎080-5073-5834)へ。
詳細はこちら