街全体が展示会場に!16日から「かんな秋のアート祭り」 群馬・藤岡市鬼石地区と埼玉・神川町

上毛新聞
2023年9月17日

群馬県の藤岡市鬼石地区ゆかりのアーティストの作品を展示する「かんな秋のアート祭り」(同祭り実行委主催)が16日、同地区や埼玉県神川町周辺で始まる。10年目を迎える今年は、初めてアートディレクターに渡辺嘉達(かたち)さん(53)、渡(わたる)さん(44)夫妻が就任。美術作品の展示を重視し、町全体を展示会場とする新たな試みに挑戦する。

アート祭りは、鬼石地区周辺とスペインの2拠点で芸術活動に励んだ画家、堀越千秋さん(1948~2016年)が、スペインの文民功労章を受章したことを祝して始まった。堀越さんの死後も、地元住民や堀越さんを慕う芸術家らによって続いてきたが、近年は展示会場での飲食販売や演奏など、イベント的要素が強まっていた。

しかし、「アートをゆっくり楽しんでほしい」という願いから、住民らでつくる「アートな 街づくり部会」が作品展示に特化した実施方法を提案。多様な作品やアーティストのまとめ役としてアートディレクターの役職を設けることが決まり、6年前に都内から移住し、鬼石地区でギャラリーカフェを営む美術批評家の嘉達さん、美術家の渡さん夫妻に白羽の矢が立った。

今回からこれまで1カ所だった展示会場を、鬼石地区の広域と神流川を挟んだ神川町など全15カ所に広げる。旧譲原小も展示会場の一つで、普段は見られない場所や町全体を散策しながら鑑賞を楽しめる。地元の造園業者や写真店で働く人の作品も展示する。

祭りのキャッチコピーは「川を渡って、鬼石へ」。2人は「この土地にひかれ、集まる芸術家の思いが浮かび上がるような展覧会にしたい」と話している。

会期は24日までの9日間。入場無料。詳細はホームページ、問い合わせは同市鬼石総合支所にぎわい観光課(☎0274-52-3111)へ。

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