しっとりクッキー「LUNA」 深作農園(鉾田市)

茨城新聞
2017年1月18日

メロン生産量全国1位の鉾田市。50年にわたりメロンやイチゴの生産と直売を手掛ける同市台濁沢の深作農園は、自社栽培の果実を使い、しっとりとした食感のクッキーを開発した。農業が盛んな同市の魅力を伝える土産品として売り込む。

クッキーは丸形で、月を意味する「LUNA」と命名。昨年11月に発売した。深作勝己社長(35)は「かつては暦として農業と密接だった月をイメージした」という。

果実は完熟になってから収穫し、自社で加工する。メロンはミキサーでピューレ状にする。イチゴは乾燥機でフリーズドライにする。

加工した果実をクッキー生地に混ぜ込み、さらに果実とチョコレートを加えた生地を挟み込む。焼き時間を種類によって調整し、生のような食感に仕上げる。

開発に携わった妻あゆみさん(35)は「やわらかく新食感」とアピール。日持ちも30日間と比較的長い。個包装にすることで、土産品として親しい人や会社で配りやすいよう配慮した。

同社は年間を通して商品を販売しようと、約10年前から加工品開発に取り組む。2010年には主力となるバウムクーヘンの専門店を農園内にオープン。農林水産省の6次産業化認定を受け、15年にはカフェを併設した洋菓子店を始めた。

積極的に大学生など若いスタッフを採用する。昨年は新たに6人が入社した。深作社長は都内の大学で農業や6次産業化の講義を行い、農業の魅力を伝える。代々続く栽培技術などの伝統を守りながら、若者の新しい発想を取り入れる。

「新しいことを柔軟に取り入れ、変革していく。農業も加工品開発も同じ」。農園の発展へ意欲を示す。

・所在地 鉾田市台濁沢361
・価格 メロン、イチゴ150円、プレーン130円(税込み)
・メモ 自社栽培の原料を使ったバウムクーヘンや米粉100%のクッキーも製造販売

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