なめがたブランド確立を 農畜水産物5カ年計画 サツマイモやシラウオ 茨城
茨城県行方市は同市産の農畜水産物を「なめがたブランド」として確立させようと、「市地域ブランディング推進計画」(2023~27年度)を策定した。前身の「市6次産業化推進計画」が22年度末に終了し、新計画はよりブランディングに特化したものとなった。市の担当者は「おいしさや新鮮さにこだわった付加価値を周知することで、選ばれるブランドづくりを目指したい」と意気込んでいる。
計画は、市内の農業、漁業関係者らで3月に策定した。市総合戦略(改定版、2021~25年度)における重点プロジェクトの一つ「働く場の拡大プロジェクト」に位置付けており、「なめがたブランド」の構築を基本方針とし、多様な主体の参画と異業種連携・地域間連携などを掲げる。
方針に基づき、基本施策として「行方市独自の農山漁村発イノベーションの構築」「なめがたブランドの創出」「地域ブランド商品の開発・保護」など、五つを設定。それぞれ、地域資源の掘り起こしや新商品の開発などを目指している。
また、特にブランド化に取り組んでいる品目として「行方かんしょ」(サツマイモ)とシラウオに言及。行方かんしょは、3月末に農林水産省の地理的表示(GI)保護制度に登録されたほか、シラウオもAIを活用して鮮度を客観的に評価するシステムづくりの確立を目指しており、本年度中にも運用が始まる予定という。
市ブランド戦略課の担当者は、行方かんしょについては、2017年の農林水産祭でのJAなめがた(現JAなめがたしおさい)甘(かん)藷(しょ)部会連絡会の天皇杯受賞もあり、一定のブランド化は成功していると指摘。その上で、「行方市では、100品目を超える農畜水産物が生産されているが、『茨城県産』と表記されたり、他の生産地に比べて販売価格が低かったりするものもある。かんしょの成功例を参考に、鮮度や栽培・選別方法などの品質管理を徹底して付加価値を高め、他の特産物にも『なめがたブランド』を広めたい」と話した。