山の風景を14メートルの絵巻に 「中之条ビエンナーレ」の内覧会で作品公開 群馬・中之条町
群馬県中之条町で9月9日に開幕する国際総合芸術祭「中之条ビエンナーレ2023」の内覧会が16日、町内5会場で開かれた。作家9組が作品とパフォーマンスを一足先にお披露目し、報道機関やボランティアスタッフらに制作過程などを説明した。
これまでは 開幕前に一部作品を 展示してきたが、今回初めて関係者向けの鑑賞会を 1日限りで企画した。
世界42カ国の約300人が寄せた画像を一つ一つ詰めた升を天井からつるし、コロナ禍の人々の思いやつながりを表した作品や、町民から集めた古着を縫い合わせて町をかたどったり、畳んで積み重ねたりして人々の物語を表現した作品もある。吾妻郡に移住した山形敦子さんは「山が身近になり、人間味を感じるようになった」と話し、浅間山や榛名湖など県内各地に滞在して制作した長さ14メートルの絵巻「山の風景」を紹介した。
今回のビエンナーレはテーマを「コスモグラフィア―見えない土地を辿(たど)る」とした。総合ディレクターの山重徹夫さんは「作家が地域に移り住み、見えなくなった歴史や文化を作品として形にしていく。人によっては地域との交流からさまざまなものをくみ取っている。中之条でしか生み出せない作品が見られると思う」と話している。
国内外111組の作家が参加予定。開催期間は10月9日までの31日間で中之条中心街や四万温泉、六合など5エリアの約40カ所超で作品展示やマルシェ、パフォーマンスが行われる。作家は順次町内に入り、作品を制作する。
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