蝶の美術館、本格オープン 日光・湯西川「水の郷」

下野新聞
2016年12月14日

 【日光】湯西川地区の大型観光施設「水の郷」(大島積(おおしまあずみ)社長)にこのほど、「蝶(ちょう)の美術館」が本格オープンした。国内唯一のチョウ専門の美術館とされ、県内外のチョウ愛好家による点描画や切り絵、刺繍(ししゅう)作品など500点以上が展示されている。同館開設に尽力した「とちぎ昆虫愛好会」の新部公亮(にいべこうすけ)幹事(61)=萩垣面(はんがきめん)=は「冬季に色彩豊かなチョウを楽しんでほしい」と話している。

 同館は、約4年間閉鎖していた同地区の民俗文化などを紹介する「くらし館」をリニューアルした。6月から地元住民やチョウ愛好家ら有志が準備を進め、7月に仮オープン。今月に入り、全展示物の設置が完了した。

 作家ヘルマン・ヘッセが愛読したドイツ版「蝶類図鑑」の銅版図版を展示。鏡越しにチョウの裏表を見られる標本も設置したほか、多色刷り版画のコーナーではQRコードを読み込むと、チョウの生態写真や解説が見られるなど、工夫を凝らしている。

 夫と訪れた東京都練馬区春日町6丁目、主婦森一代(もりかずよ)さん(70)は「こうした美術館は見たことない。夢があり、小さな生き物から生命力を感じた」と笑顔で話した。

 平家伝説で知られる同地区。同館設置は、平家一門が揚羽蝶(あげはちょう)など蝶紋を愛用したことにもちなんでいるという。新部さんは「これまでチョウ愛好家の作品を発表する場所も少なかった。湯西川ならではの美術館で、集客に努めたい」と話している。

 土日、祝日の午前10時~午後3時。入場無料。来年5月から平日も開放予定。

 (問)水の郷0288・98・0260。

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