梅から主役の座引き継ぎ 水戸・偕楽園 ソメイヨシノ約600本咲き誇る 

茨城新聞
2023年3月29日

茨城県内の桜は今が咲き時とばかりにこぞって開花している。

日本三名園の一つ、偕楽園(水戸市)では、梅から主役の座を引き継いだ約600本のソメイヨシノが咲き誇る。4年前の台風で倒れた名木「左近の桜」の苗木も今月、根を下ろした。花や時の移ろいを好文亭が黙って見下ろしている。

偕楽園公園「四季の原」を訪れた同市吉沢町の大関里佳さん(38)は「梅だけでなく、桜も見事。春本番へ日に日に近づいていることを実感する」と話し、顔をほころばせた。

 ■散策者癒やすソメイヨシノやヤマザクラ 茨城・筑西の県西総合子応援

元気に遊ぶ子どもたちを優しく包み込むように、桜が大きく枝を伸ばす。茨城県筑西市桑山の県西総合公園は1992年の開園当時、ソメイヨシノやヤマザクラなど約800本が植えられた。成長した木々は太く見応えを増し、散策に訪れた人たちを癒やす。

園内を包み込むように咲く県西総合公園の桜=27日午後、筑西市桑山

 

こども広場には、大きな滑り台やブランコがある。花びらが舞う中、親と桜に見守られながら、子どもたちは伸び伸び。楽しげな声がこだまし、園内は春色に染まる。

■参拝者を出迎えるサクラ 茨城・行方の西蓮寺 門前、華やかに

500年近い歴史を誇る仁王門の門前で、サクラが参拝者を出迎える。茨城県行方市西蓮寺の西蓮寺。敷地内のサクラは、寺を華やかにしたいと30、40年前に檀家(だんか)たちが植えた。

西蓮寺仁王門前のソメイヨシノを間近で楽しむ親子連れ=行方市西蓮寺

 

仁王門は室町時代後期の1543年に建立されたといわれる。サクラは門を包むように枝を伸ばす。

「門前のサクラはそれほど高さがなく、間近でめでることができる」と嘉堂英源住職(37)。参拝者は歴史を感じながら、花見を楽しむ。