入山 1万人回復期待 茂木の焼森山ミツマタ群生地 シャトルバス2年目 見頃控え関係者が開山祭

下野新聞
2023年3月5日

【茂木】飯(いい)の早春の人気スポット、焼森山山麓のミツマタ群生地で今年も花が咲きだし、4日に開山祭が行われた。今月中旬に見頃となる見込み。町などは見物客のため、約600メートルの遊歩道の一部へ新たにウッドチップを敷いて利便性を向上させた。有料シャトルバスの運行は2年目を迎え、11~29日の運行期間中、入山1万人の大台回復が期待されている。

群生地には約7千平方メートルの杉林の斜面に約7500本のミツマタがあり、球状の黄色い愛らしい花を付ける。林間の幻想的な景観は「妖精の森」とも呼ばれる。

年々人気が高まり、2021年の開花期は約1万3千人が入山した。しかし交通渋滞や地元の生活への負荷が避けられず、昨年初めて自家用車の進入を規制。約7キロ離れた旧逆川中から運行するシャトルバス利用と徒歩での入山に限定した。そのため有料入山者数は8565人に減少した。

今年は周知が一定程度進んだことから、町観光協会は入山1万人台への回復を見込む。対策として、ぬかるみやすい遊歩道にウッドチップを敷いたほか、JR宇都宮駅、真岡鉄道茂木駅と旧逆川中を結ぶ「JRミツマタ特急バス」の利用者を対象としたシャトルバス往路優先乗車も試行する。

開山祭は、群生地の保全活動を続ける焼森山ミツマタ保全協議会やさかがわ協議会の地元住民、古口達也(こぐちたつや)町長ら15人ほどが参列して行われ、期間中の安全を祈った。

この日は一部で開花も確認された。焼森山ミツマタ保全協議会の谷中裕一(やなかひろいち)会長(76)は「昨年と同時期の開花。あと1週間ほどで楽しめる。15日ごろからが見頃」と話した。

シャトルバスは旧逆川中駐車場から午前7時半始発で、約30分間隔の運行。群生地までの往復乗車券と保全協力金のセットで千円。徒歩だと保全協力金300円が必要。(問)町観光協会0285・63・5644。