学生のデッサン・写生55点 若き日の大観「臨画」も 北茨城・天心記念五浦美術館

茨城新聞
2023年1月7日

茨城県北茨城市大津町の県天心記念五浦美術館で2月5日まで、企画展「のぞいてみよう!東京美術学校課題画展」が開かれている。授業や試験で取り組んだ学生たちのデッサンや写生などを展示し、授業の様子を紹介している。横山大観や板谷波山、青木繁など、同校で学び、才能を開花させた巨匠の若き日の作品も並ぶ。

東京美術学校は1889年に開校した。その中心となった岡倉天心にちなみ、同館では2850点もの課題画を所蔵している。

今展はコレクションの中から、手本を見て写す「臨画」や、観察して描く「写生」、創造性を培う「新案」など、学生たちの研さんの様子が分かる55点を厳選した。

横山秀麿(大観) 臨画(維摩)=1889年、県近代美術館蔵

 

会場には、毛筆で直線や曲線を引くことから学び、描線や濃淡を学ぶ模写の訓練を経て、オリジナルに挑む過程が展示されている。横山大観、木村武山ら日本画家のほか、板谷波山ら工芸作家、青木繁ら洋画家まで、卒業後、多方面で活躍した作家たちの臨画やデッサンなど、珍しい作品が鑑賞できる。同館企画普及課の川島帆乃夏さんは「同じ課題でも学生によって違いがある。並べて展示したので、筆致や表現の違いにも注目してほしい」と話した。

午前9時30分~午後5時。月曜休館。ただし、1月2、9日は開館、12月29日~1月1、10日は休館。