佐貫駅、「龍ケ崎市駅」へ改称協定

茨城新聞
2015年9月10日

JR常磐線佐貫駅(龍ケ崎市佐貫町)の駅名改称事業で、同市は9日、JR水戸支社と協定を締結したと発表した。協定書には新駅名を「龍ケ崎市駅」とすることが明記された。同支社は国交省関東運輸局に駅名変更を届け、受理され次第、改称作業に着手する。協定締結で改称は実現に向け大きく前進した。一方、改称に慎重な市民グループは同事業の是非を問う住民投票実施に向け、同条例制定を求める署名を市選管に提出している。

協定書によると、新駅名は市の要望を踏まえ「龍ケ崎市駅」とし、改称時期は2017年4月1日としている。乗車券の発券にかかるシステム改修など改称費用は3億2860万円と見込み、改称費は市が全額負担する。

駅名改称を公約の柱として掲げた中山一生市長は「JRの駅名に市の名前が付くことは、計り知れない宣伝効果がある」と期待感を表明。同支社側は「作業日程を考慮し、今回の締結になった。近いうちに改称作業を開始したい」とした。

住民投票実施を求めている市民グループの三瓶和昭代表は「改称事業に疑問を持つ市民の声を無視している。大変遺憾」と話した。

同駅の名称をめぐっては、1984年に改称を目指す約2万人分の請願と、駅名存続を求める約1万人分の請願の両方が市議会に提出されるなど、数十年来議論されてきた。

市は「駅名と自治体名を一致させ、市の認知度を高めたい」などとして、昨年8月から同支社と協議を開始。今年5月から市民との意見交換会を開き合意形成を図ってきた。

こうした中、改称に疑問を持つ市民グループが7月から住民投票条例制定を求める署名活動を展開、本請求の必要数を上回る8475人分の署名を今月8日、市選管に提出した。署名数の確定後、同グループが市長に本請求し、市長は同条例案を市議会に提出し審議される。

一方、改称事業に賛同する市民も有志の会を立ち上げ、今月に入って署名集めや改称費に充てるための募金活動をスタートさせている。(鹿嶋栄寿)

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