大観の描いた富士山 茨城・筑西で特別展 幅広い手法17点
茨城県を代表する日本画家、横山大観(1868~1958年)の富士山を描いた絵画に焦点を当てた特別展「横山大観展~大観の富士山」が16日、筑西市大塚の廣澤美術館で開幕した。展示された大観の絵画は18点で、うち17点は富士、1点は旭日が描かれている。陶芸家の五代清水六兵衛と合作した茶碗や、「米寿」の書作品、梅原龍三郎による大観の肖像デッサン画も公開されている。会期は2月13日まで。
大観は富士山の画題を好み、生涯にわたり数多くの作品を残した。同館は、開館1周年を記念する今回の展示のために、広沢グループ会長で同館創設者の広沢清氏(83)がこれまでに収集した大観の作品群の中から、特に富士山を描いた絵画を抜き出した。
絵画を飾る様式は、額装や掛け軸、びょうぶ仕立ての作品までさまざま。特徴的な没線画法の「朦朧(もうろう)体」による描写から、くっきりとした稜線(りょうせん)を描いたものまで、大観の幅広い手法を知ることができる。生前の人柄をしのばせるゆかりの品々として五浦観光ホテル(北茨城市)から特別に借り出した、大観が使った筆や絵の具皿、釣り道具なども展示されている。
別館「つくは野館」には、大観以外の作家17人の描いた富士山の作品34点が展示されている。筑西市出身の木版画家、飯野農夫也をはじめ、奥村土牛、橋本関雪、矢部友衛、伊東深水、片岡球子などの作品で、それぞれの作風を比較しながら鑑賞することができる。
同館の美術担当者、田原一哉さん(62)は「大観は茨城だけでなく日本を代表する画家。地元の文化発信に貢献しようと、開館1周年を記念し、満を持して企画した。多くの来場者があることを期待している。特に地元の人に来てほしい」と話している。
問い合わせは同館(電)0296(45)5601。
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