美和産ソバで焼酎 茨城・常陸大宮の介護施設理事 農家を支援、地域活性化

茨城新聞
2021年10月11日

茨城県常陸大宮市美和地区で収穫されたそば粉と米麹(こうじ)で造ったそば焼酎「檜沢城」が今月、発売された。同地区の同市下檜沢にある高齢者介護施設の経営者が、地元の活性化策につながればと発案。ソバのむき実加工や製造ができる業者を探し、多くの人の協力で約半年で商品化にこぎ着けた。

そば焼酎を企画したのは、一昨年9月からグループホームとデイサービス施設を営む「鳩研社」の大瀧清作代表理事(64)。福祉とは違った分野での地元活性化を考えていたところ、取り引き関係者から「地元のそば粉を使ってそば焼酎を造ってみてはどうか」とアドバイスされた。

大瀧さんは「生産農家の支援になり、地元の知名度アップにもつながる」と共感。しかし、ソバ栽培の経験や醸造の技術はなく、販売する免許もなく、一人ではどうすることもできなかった。

そこで、地元のつてを頼りに地道に呼び掛けや交渉を続け、生産農家から奥久慈常陸秋そばの1等級を144キロ調達できた。市内では、多くの玄ソバをむき実加工できる機械や300本ものそば焼酎を造れる箇所が見つからず、紹介を受ける形で隣接する常陸太田市のJA金砂郷、剛烈酒造にたどり着き、協力を得られた。

常陸大宮市美和地区で収穫した材料を使い、そば焼酎を製造=常陸太田市大里町の剛烈酒造

 

ラベルのデザインは、美和地区の森林資源で地域活性化に取り組む「森と地域の調和を考える会」の龍﨑真一代表に相談し、地区内で開く山城ツアーのPR、活動資料などに使われた「檜沢城」の図柄を使用する許可が得られた。

今回の販売本数は、720ミリリットルでアルコール分25度(1本2200円)が296本、同40度(1本1650円)が20本。大瀧さんは「香りと味をぜひ堪能してほしい。来年以降、徐々に製造本数を増やしたい。地元農家の励みになってくれれば」と期待する。

販売店は、同市下檜沢の益子酒店(電)0295(58)3171、同市内北塩子の川岸屋(電)0295(54)1234。市内の道の駅などでの販売も考えている。

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