こだわり込めた“二刀流”  舞茸天おろしそば 

下野新聞
2020年5月13日

田植えを終えた水田の上をツバメがさっそうと行く。「この田園風景が好きでここに決めました」。店主堀井哲也(ほりいてつや)さん(45)は、そう言って窓の外を眺めた。

2016年3月オープン。市街地から離れ、商売には不利と思える立地だが、店主の気さくな人柄とロケーションに魅了され、足しげく通うファンも多い。

夏に向けて人気が高まるのは「舞茸(たけ)天おろしそば」(1400円、テークアウト1100円)。肉厚な舞茸天をドカンと三つのせた圧巻の一皿は、大根おろしでさっぱりといただける。

洋食店で長年働いてきた堀井さんのこだわりが、そばと一緒に楽しめる前菜。ふきみそのサラダや山ウドのトマト煮など、四季の素材を洋風に仕立てる。脇役だが、主役級の味わいだ。

堀井さんは、両親が切り盛りしていたそば店を手伝う中で、そばの奥深さにはまった。カフェ経営も考えていたことから「そば屋とカフェの真ん中を行こう」と“二刀流”を目指した。

店名のピースには「笑顔になれる場所」との願いを込めた。新型コロナウイルスの影響で5月末までテークアウトのみだが、店内に笑顔の輪が広がる日を心待ちにしている。

【メモ】宇都宮市上田原町20の1。午前11時半~午後6時。水曜定休。(問)028・672・3900。

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