お富士山古墳 王者の石棺レプリカ間近に 伊勢崎で展示

上毛新聞
2019年12月20日

 5世紀前半に築造された前方後円墳、お富士山古墳(伊勢崎市安堀町)にある長持形石棺のレプリカが27日まで、市赤堀歴史民俗資料館で展示されている。長持形石棺はヤマト王権の大王級の古墳に採用されており、「王者の石棺」と呼ばれる。重厚感ある造りが王権とのつながりを物語っている。

 石棺は全長285センチ、幅121センチ、高さ115センチ。牛伏砂岩の6枚の石を組み合わせて作られ、重さは約6.8トンある。実物は県重要文化財に指定されており、古墳の墳丘上に保存されている。

 長持形石棺は国内最大の前方後円墳、大仙陵古墳(仁徳天皇陵)など、全国で約40例が確認されている。ほとんどが畿内で、東日本はお富士山と太田天神山古墳(太田市)のみという。

 レプリカは国立歴史民俗博物館(千葉県)が1983年に製作し、2016年度に伊勢崎市が譲り受けた。市の歴史を間近に感じられる貴重な資料として、今後は常設展示も検討している。

 同資料館は「ヤマト王権と強いつながりがなければこの石棺は作れない。それが伊勢崎にあることを知り、現地にも関心を持ってほしい」としている。

 入館無料。月曜休館。問い合わせは同館(電話0270-63-0030)へ。