燃える赤 山から里へ 【紅葉特集】 Vol.1

上毛新聞
2018年11月6日

秋が深まり、上州の山々が紅葉に包まれ始めた。これから冷え込みが厳しくなるにつれ、燃えるような赤は山々から里へと広がっていく。わずかな時間しか楽しめない紅葉は、登山やハイキング、温泉など、県内観光に貴重な輝きを与える。
県内には多くの人の心を引きつける紅葉の名所が、いくつも存在する。鮮やかな色に染まった各地の風景を特集する。

===みなかみ・諏訪峡===

弱い天気雨の後、利根川上空に虹が現れた。みなかみ町の諏訪峡大橋周辺の紅葉は今が旬。天からの思わぬ演出で輝きを増した。
高さ42メートルの大橋から望む渓谷の紅葉は圧巻だ。町観光協会によると、来週いっぱいは満喫できそう。(2日午前10時ごろ、関口和弘撮影)

===沼田・老神温泉===

沼田市利根町の老神温泉郷で、渓谷を包み込むように紅葉した木々が穏やかな日差しに照らされている。
宿泊客らは、片品川にかかる内楽橋から川面に映る秋空と錦を眺めたり、露天風呂に漬かりながらめでたりと、思い思いに深まる秋を楽しんでいる。
老神温泉観光協会によると、来週いっぱいは楽しめそう。(2日午前11時ごろ、石田貞之撮影)

===川場・吉祥寺===

樹齢約200年のイチョウが鮮やかな黄色に染まっている。川場村の吉祥寺を訪れた観光客はゆったりと流れる時間の中で、まぶしそうに大木を眺め、かやぶき屋根の釈迦堂との調和を楽しんでいた。
寺によると、今後はモミジも色づき始め、見頃は10日ごろまで。(2日午前11時ごろ、綱島徹撮影)

===渋川・河鹿橋===

色づいた木々が柔らかな光の中に浮かび上がる。渋川・伊香保温泉の河鹿橋近くの特設舞台で、あでやかな着物をまとった芸妓(げいこ)が三味線に合わせ優雅に舞った。
幻想的な空間の中で芸妓文化を楽しんでほしいと、JTB協定旅館伊香保地区会が企画。観光客はいつもとひと味違う紅葉を楽しんだ。(2日午後5時ごろ、大橋周平撮影)

===長野原・八ツ場ダム===

来年度に完成する予定の八ツ場ダム。周囲の紅葉の美しさに加え、今しか見ることのできない工事風景を記憶にとどめようと、多くの観光客が見学に訪れている。
ダムには上流部と下流部を結ぶ観光用エレベーターが設置される予定で、今後は吾妻渓谷や川原湯温泉などを巡る周遊観光にも期待がかかる。(1日午後0時15分ごろ、石田貞之撮影)

===中之条・暮坂峠===

若山牧水の石像のある中之条町の暮坂峠。盗難被害を受け、昨年再建された像は、住民と訪れる観光客を見守っているよう。紅葉の名所として古くから知られ、牧水がこの地で詠んだ「枯野の旅」も秋の色づく山々を見ながら創作したと語り継がれる。
町観光協会によると、落葉が進み、見頃は今週末までという。(1日午後1時半ごろ、石田貞之撮影)

===嬬恋・鬼押出し園===

赤や黄色に染まった木々と真っ黒な溶岩群。嬬恋村の鬼押出し園からはこの時季ならではのコントラストを楽しめる。
同園によると、園内の紅葉は終盤で、見晴台などから見渡せる浅間高原の色づきがピークを迎えた。浅間山も望むことができ、家族連れやハイカーが雄大な情景を堪能している。(1日正午ごろ、梅沢守撮影)

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