城里・上古内で植え付け 「初音茶」復活に力 光圀ゆかり、販売促進狙う
水戸藩2代藩主の徳川光圀が愛好し、名付けたとされる「初音茶」の植え付けが20日、城里町上古内で行われた。長年途絶えていた初音茶の生産を復活させるプロジェクトの一環。本県三大銘茶の一つで、同町の古内茶のブランド力強化と販売促進につなげるのが狙い。
初音茶は、同町下古内の清音寺で古くから栽培され、現在も母木が残る。江戸時代、光圀が気に入って名付けるとともに生産を推奨し、上古内、下古内両地区で茶の栽培が盛んになるきっかけになったとされる。
植え付けは昨年に続き2回目。苗木は、2014年7月に母木から採取した挿し穂を、大子町の県農業総合センター山間地帯特産指導所に移して育成したもので、高さ40~50センチの元気な苗木約250本を選んだ。
作業は初夏を思わせる日差しの中、城里町上古内の登録有形文化財「島家住宅」の敷地で行われ、プロジェクトを進めてきた古内茶生産組合(組合員11人)の組合員と県、町の関係者など約30人が汗を流した。組合長の加藤隆さん(69)は「光圀ゆかりのお茶を早く味わってみたい。この取り組みを通じて、古内茶の良さを全国に発信していきたい」と意欲を語った。
プロジェクトは14年、福島原発事故やペットボトル入り飲料の普及などを背景に、古内茶のブランド力の強化と販売促進を狙いに立ち上げられた。今後も同敷地内で苗木の植え付けを続け、4年後までに約600平方メートルの茶畑にする計画。茶葉約240キロの収穫を目指している。
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