手紙に文豪らの人柄 夏目漱石や芥川龍之介、土屋文明、萩原朔太郎も… 土屋文明記念文学館(群馬・高崎市)で資料85点を展示

優れた文学者は優れた手紙の書き手でもある。名だたる文豪らが書いた手紙や関連する資料85点を飾る企画展「愛の手紙―友人・師弟篇―」が群馬県高崎市の県立土屋文明記念文学館で開かれている。夏目漱石が芥川龍之介に宛てた激励の書簡や土屋文明が友人と近況を報告し合ったはがきなどが並び、手紙を通じて文学者の人柄や人間関係を知ることができる。1月18日まで。
展示は同館が収蔵する資料を活用しつつ、日本近代文学館(東京都)が企画した展示案に、文明と交流の深い文学者、久米正雄の資料を多く所蔵する こおりやま文学の森資料館(福島県)の収蔵品を加えて構成した。本県出身の文明と萩原朔太郎、大手拓次をはじめ17人の文学者を軸に紹介する。
群馬ゆかりの文学者をまとめた展示では、朔太郎が室生犀星に宛てた書簡や、拓次が実家の旅館を利用する客の子どもに贈った書簡などを飾る。
文明の展示では、18年に久米とやりとりした14連の書簡とはがきが並ぶ。仕事のため渋々受け入れた転居を報告したり、小説の締め切りを遅らせるように依頼したりする文面からは、友人相手だからこそこぼれた本音が見て取れる。
他にも与謝野晶子が『或る女』の著者、有島武郎に宛てた書簡や川端康成が読んだ谷崎潤一郎への弔辞などもある。担当した学芸係の長井美幸さんは「展示資料は日本の宝と言える一級品ばかりで見応えがある。私的な手紙からは文学者の人柄や性格が見えて親近感が湧く。手紙をきっかけに文学に親しんでほしい」と呼びかける。
午前9時半~午後5時(入場は同4時半)。火曜休館。観覧料500円。問い合わせは同館(☎027-373-7721)へ。
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