人気タチウオに沸く 日立沖、金属ライン使用 独特の引き、中型14匹 茨城

茨城新聞
2025年2月23日

ここ数年、冬が深まりタチウオが釣れ出すと港は一気に活気づく。みんなタチウオを待っている。それほど人気のターゲットなのだ。かく言う私もその一人。1月中旬、茨城県の日立久慈漁港の大さん弘漁丸(小泉大輔船長)に乗り込んで狙ってみた。

タチウオ船の朝は早い。午前4時に集まった20人が船に乗り込むと間もなく暗闇の海へ出てお目当ての海域へ。20分ほどで水木の海岸の明かりを望む水深35メートルで釣りスタートの合図。

今回用意したタチウオ用の高強度複合ラインとメタルジグ

魚群探知機には中層に小魚の群れ、底にはタチウオらしき反応がパラパラと見られる。真っ暗の海にジグを投げ入れ海底付近から中層まで探る。しかしアタリは一向にない。

反対側の人が1匹釣り上げたらしい。魚探モニターの影はタチウオのようだ。薄明るくなってきたころ、私のさおにもヒット。

グイグイ潜ったかと思えば、海面へ突進して手応えが途端に軽くなることもある独特の引き応えだ。銀色に輝く魚体が宙を舞って船へ抜き上げた。中型サイズを釣り上げほっと一息。

タチウオは幽霊とも言われるほど群れの発生が読めない。一日中群れを探しても見つけられず、釣果なしも珍しくない。

今回は海底付近にいるにはいるが、魚影は極めて薄いようだ。あれこれ手を変え3時間で3匹を釣獲。型を見られただけでも良しとしよう。

船は速度を上げ南へ大胆に移動。久慈川河口を過ぎ、東海村沖の水深33メートルで濃い反応を発見した。ちょうど下げ潮が効いている時間帯。チャンスとばかり200グラムのジグを放り込む。

着底するやいなやヒット。力任せにグイグイとリールを巻いて釣り上げ、針を手早く外してすぐに次。チャンスの時間帯に釣果を伸ばす鉄則だ。

好機にタチウオの鋭い歯でラインを切られるなどして時間をロスするのはもったいない。私は金属の複合ラインを使って以降切られたことがなく、釣果を伸ばしている。

私の使う金属ラインは普通に結ぶことができるので非常に便利。このチャンスで6尾を釣り上げる間、集まってきた釣り船が群れの真上で陣取り合戦の様相となり、アタリはポツリポツリ。終了までに指4本の中型計14匹を物した。

常磐沖のタチウオは大群ならば100匹釣る人もいる。14匹は少し寂しい気もするが、食べきれる量はこれくらいだ。

冬の茨城のタチウオは脂が乗って美味。胴を2~3本に切り分け3枚におろし、皮に塩を振ってバーナーでいぶって冷水へ。それを刺し身で食う。何物にも代え難いごちそうだった。(奔流倶楽部渓夢・上谷泰久)