多彩な赤 深い情熱 しもだて美術館で所蔵品展 茨城・筑西
茨城新聞
2025年2月21日

茨城県筑西市丙のしもだて美術館が所蔵する作品の中から赤い色を主題にした新春所蔵品展「あかいろの世界」が、同館で開かれている。陶芸や工芸、油彩画など異なる分野の作家7人が朱色や紅色といった多彩な赤を使い印象的な作品に仕上げた19点がそろう。同展は3月9日まで。
出品作家は陶芸家の板谷波山や漆芸家の大西勲、いずれも洋画家の森田茂や早川義孝など。丹(に)色や朱色、紅色、緋(ひ)色といったそれぞれの色に関する説明が添えられている。
森田の油彩画「容姿(すがた)」は山形県庄内地方に伝わる郷土芸能「黒川能」を題材とした作品で、赤を中心とした表現が目を引く。幻想的な心象風景を描いた早川の油彩画「古代朱(あか)の組曲」は鮮やかな赤色を背景に灯台や多くの船が描かれている。
同美術館の学芸員、堀江紅音さん(23)は「色をテーマにした所蔵品展は今までなかった。作家の深い情熱を感じ取っていただきたい」と話している。問い合わせは同美術館(電)0296(23)1601。