ラーメン清六家、県央進出 豚骨しょうゆ 茨城
横浜家系ラーメン「清六家」をチェーン展開するコン・コース(茨城県つくば市北条、大関虎之介社長)が急成長している。県南西エリアの路面店を中心に好調で、2021年から約3年で直営店舗数、業績とも右肩上がりで増加。8月には県央エリアに初出店した。業界は原材料価格の高騰で経営環境の厳しさが増す中、積極的な出店戦略で収益を伸ばす。今回の県央進出を足掛かりに、県内全域へ事業を拡大させる勢いだ。
同県茨城町長岡のショッピングモールにあるラーメン店「清六家イオンタウン水戸南店」。フードコートで親子連れや年配者が、豚骨しょうゆラーメンを味わう。商業施設への出店は、地域住民の普段使いの場として平日昼間の集客も狙う。
運営する同社は01年6月に設立。21年8月の守谷駅前店(同県守谷市中央)の開店から約3年で新店舗を次々と増やし、それまで八つだった直営店舗数を15にまで増やした。居抜きやテナント入居を含め、好立地に出店する。路面店への進出は、交通量や近隣外食店の客の入り具合などを入念に調べて決める。
売上高も21年は約5億円、22年は約6億3000万円、23年は約8億2000万円と上昇傾向。海外にはインドネシアやマレーシアにフランチャイズ店がある。先月開店したイオンタウン水戸南店は、清六家初の県央エリア店舗で、15店舗目の直営店となる。
同社によると、急成長の要因は「育成」にある。アルバイト・パートを含め従業員は約200人。近年、働き手の教育に力を入れ、組織づくりから見直した。
客に喜ばれる接客、サービス提供の指導のほか、調理、管理方法などを徹底し、全店舗でメニューやマニュアルを統一。店舗を増やすことにより、昇給や役職ポストの面でスタッフがやる気を出せるようにする。
看板メニューは豚骨しょうゆのほか、鶏白湯(ぱいたん)、さっぱり系を含め、子どもから年配者まで幅広い世代のニーズに応える商品構成だ。
同店のオープンに合わせ、おもちゃ付きの子ども向けメニュー「お子様セット」の大幅値下げにも踏み切った。
当面の目標は、直営店の県内20店舗出店。今後は同県水戸市、さらに県北エリアへの進出を狙う。店舗戦略を担う卜部貴道営業部長は「県内各地で清六家の名前を広め、将来は茨城を代表する飲食会社になれるようにしたい」と話した。