「世界のムナカタ」並ぶ 企画展に40点 筑西・廣澤美術館 茨城
茨城新聞
2024年8月7日
版画家、棟方志功(1903~75年)の作品を集めた企画展「棟方志功と版画展」が、茨城県筑西市大塚の廣澤美術館で開かれている。代表作「二菩薩(ぼさつ)釈迦(しゃか)十大弟子」をはじめ、版画や肉筆画や書、焼き物など約40点を前後期で展示替えしながら紹介する。
棟方は青森県青森市出身。ゴッホの「向日葵(ひまわり)」に感動して油彩画家を志し、上京後に版画家に転じた。自ら「板画(ばんが)」と称した木版画を手がけ、ベネチア・ビエンナーレで国際版画大賞を受賞するなど「世界のムナカタ」として国際的な評価を得た。
二菩薩釈迦十大弟子は、2人の菩薩と釈迦の10人の弟子を彫った傑作。裏彩色が華やかな「ハイビスカス妃の柵」や、棟方が好んで題材にしたコイの絵付き皿「鯉(こい)図」といった作品もそろう。棟方の写真もあり、版木に食いつくように彫刻刀を走らせる姿は印象的だ。
棟方志功の企画展を開くのは約3年ぶり。福嶋達也副館長(37)は「棟方のいろんな種類の作品があり、楽しめると思う」と話した。
同館では版画家の斎藤清(07~97年)が福島県会津地方などを題材とした作品40点も展示している。前期は9月29日まで、後期は10月3日から11月24日。