群馬県内の四大温泉地 草津の人気ぶり際立つ
20日は1年で最も寒さが厳しくなるとされる「大寒」。この時季に恋しくなるのが、冷えた体を芯から温めてくれる温泉だ。群馬県には大小さまざまな温泉地があるが、四大温泉地と呼ばれる草津、伊香保、水上、四万を入り込み客数などで比較した。
県がまとめた観光入込客統計調査によると、2022年の草津温泉の入り込み客数は300万4000人。水上温泉は118万7000人、伊香保温泉は113万9000人、四万温泉は28万8000人で、草津の人気ぶりが際立った。
開発で楽しさ追及
草津温泉では、昨秋に新名所「温泉門」が完成し、星野リゾートの進出計画も明らかになるなど開発が加速している。草津温泉観光協会の福田俊介事務局長は「本年度の入り込み客数は過去最高を更新する見通し。進化を止めず、何度来ても楽しい草津温泉を目指したい」と力を込める。
一方、県が公開している観光地別観光客入込数推計によると、1985年度の各温泉地の入り込み客数は草津263万人、伊香保232万人、水上158万人、四万53万人。現在と調査方法が異なる可能性があり単純比較はできないが、90年代以降は団体旅行から個人旅行へ需要が変化し、全体的には減少傾向にある。
産官学金で再生へ
温泉街の衰退が課題となっている水上温泉では、みなかみ町と群馬銀行、オープンハウスグループ、東京大による産官学金連携の「再生プロジェクト」が進む。廃業したホテルの解体工事や、地元商店を集めたマルシェを開催するなどし、にぎわい創出を目指す。
町の担当者は「地元の人にも加わってもらい、大きなうねりとしたい。温泉街の周辺を含め面的に活性化させたい」と意気込んだ。
その他の指標でも、草津温泉の優位は揺るがなかった。県の温泉利用状況報告書を見ると、2021年度の各温泉地の宿泊施設数は草津151軒、伊香保44軒、水上(谷川温泉や湯檜曽温泉などを含めない)8軒、四万35軒だった。
温泉地ごとの源泉湧出量は、小規模の温泉地に与える影響が大きいことなどを理由に公表されていない。地区別の1分当たり湧出量(21年度、自噴と動力の合計)は、草津と四万を含む吾妻地区が2万2500リットル、伊香保温泉がある渋川地区が6800リットル、水上温泉を有する利根沼田地区が1万7900リットルだった。