宇都宮で「赤富士」が見られる! 栃木県立美術館「文晁と北斎展」の後期展示スタートへ
栃木県立美術館(栃木県宇都宮市桜4丁目)で開催中の「文晁と北斎-このふたり、ただものにあらず」展(栃木県立美術館、下野新聞社主催)は21日、作品の一部を入れ替えた後期展示がスタートする。全46図を半期ずつ紹介する北斎の「冨嶽三十六景」からは、「赤富士」として名高い「凱風快晴」などが新たに登場。世界的な評価を受けるシリーズの残り半分を堪能できる。
日本各地から富士山を捉えた「冨嶽三十六景」は、浮世絵師葛飾北斎(1760~1849年)晩年の代表作。中でもうろこ雲が浮かぶ藍の空と山肌を赤く染めた富士が印象的な「凱風快晴」は、「神奈川沖浪裏」(前期のみ展示)と並び人気が高く、「全体がたった4色で構成された究極の省略美を持つ作品。どっしりと構えた富士山の不変さが見事に表現されている」と同館の橋本慎司副館長兼学芸課長はその魅力を説く。
同展は栃木県誕生150年、下野新聞創刊145周年の記念展。江戸後期、ほぼ同時期に活躍した谷文晁(1763~1840年)と北斎、計87件の作品から「関東南画の祖」と「奇才の浮世絵師」の人並み外れた画業や意外な共通点をたどっている。
12月24日まで(月曜休館)。観覧料一般1000円、大高生600円、中学生以下無料。
【写真説明】葛飾北斎「冨嶽三十六景 凱風快晴」(大田区立龍子記念館蔵)