栃木・大田原の複合施設がオープン10周年 年間60万人が利用 10月21日に感謝祭

下野新聞
2023年10月20日

栃木県大田原市中央1丁目の複合施設「トコトコ大田原」は今月、オープンから10周年の節目を迎えた。人口減少やモータリゼーションの進展などで中心市街地の空洞化が深刻化する中、街なか活性化の核としてにぎわいの創出に寄与してきた。21日には10周年を記念した感謝祭を開き、さまざまなキャンペーンやイベントを行う。

市では、2004年に内環状線が開通したことなどを契機に大型店の郊外進出が相次ぎ、中心市街地の空洞化が進んだ。同施設は08年に内閣府に採択された「中心市街地活性化基本計画」の中心事業として施工され、13年10月にオープンした。

⇒“那須御養卵”の稲見商店が無人直売所オープン 大田原の工房で「直売価格で買える」

1階には、地元の農産物を直売する「トコトコマルシェ」を中心とした商業施設が入り、上層階には子ども未来館や図書館などの公共施設を整備。誰でも「とことこ歩いていける魅力的なところ」として幅広い世代が利用し、オープン当初の14年度の入り込み客数は、延べ約80万人と大盛況だった。新型コロナウイルス禍の影響で一時客足は遠のいたが、昨年度は延べ約60万人が利用し回復傾向にある。

一方、中心市街地の活性化はまだ途中だと、同施設を管理する「大田原まちづくりカンパニー」の瀧川昌之社長(70)は課題を挙げる。「周辺一帯はにぎわいを取り戻しつつあるが、中心市街地はここだけではない。人の流れを作る起爆剤になるような事業を進めるべきだ」と話す。

感謝祭では、館内の各施設でイベントが開催される。大抽選会や特売、図書館で開かれる古本市のほか、子ども未来館では忍者をテーマにしたイベントを楽しめる。南側駐車場では「木工ものづくりマルシェ」も開かれる。開催時間は各イベントごとに異なる。

(問)トコトコ大田原0287・47・7370。

⇒<栃木・県北グルメ>中華そば おおの(大田原)B定食 よみがえる名店ふんよう菜館の豚ばら