高崎駅ホーム「旅の味」のそば店、閉店へ 22日から「最終営業」 群馬
40年間、通勤・通学する人や旅人のおなかを満たしてきた群馬県のJR高崎駅2・4番線ホームにある立ち食い飲食店「高崎そば第5売店」が10月8日の営業を最後に閉店する。店舗の老朽化で改修に多額の費用がかかるため、営業を続けるのが難しくなったという。現在休業中の店舗は22日から利用者への感謝を込めた「最終営業」を行うが、利用者からは閉店を惜しむ声が数多く上がっている。
同店は1983年7月、駅弁の製造販売会社「たかべん」が開業。2017年4月からは「NRE高崎サービス」が、昨年4月からは「JR東日本クロスステーション」が経営を引き継いできた。
開業時から立ち食いスタイルで営業し、平日は通勤・通学する人で、休日は旅行者でにぎわった。地産地消の上州マイタケを使った「舞茸(まいたけ)天そば」が人気メニューだったという。
空調設備の調子が悪く、従業員の体調を考慮して7月11日から休業していた。店舗の改修を検討したものの、費用が多額に上ることから、営業継続を断念したという。ただ、休業のまま閉店という形にはせず、今まで利用してきた顧客への感謝を伝えるために22日から最終営業を行う。
閉店を知らせる「X(旧ツイッター)」の投稿のコメント欄では「旅の醍醐味(だいごみ)がまた一つなくなる」「出張したときの楽しみだった」といった声が上がっている。ホーム上でも、シャッターの下りた店舗の前で足を止める人の姿が見られた。
店の写真を撮りにきた高校3年の竹村陽葵(ひかり)さん(18)=前橋市=は、高校1年のころからお世話になった思い出の店だと説明。「乗り継ぎのわずかな時間でも立ち寄れるのが便利だった。電車を間近に見ながら食べるのが風情があった」と閉店を惜しんだ。
電車旅の際に同店を利用していた青木雅彦さん(65)=埼玉県寄居町=は「昔ながらの店構えが良かったが、時代の流れに勝てなかったのだろう」と肩を落とした。
最終営業は毎週金~日曜に行う。営業時間は午前7時から午後2時までで、最終日の8日のみ同6時まで。限定メニューでの営業となる。
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