全国の珍名厳選 紹介 名字研究家 高信さん新刊 水戸

茨城新聞
2023年7月18日

水戸市在住の名字研究家、高信幸男さん(66)が、新著「ご当地珍名見つけ隊-高信先生の全国行脚」(恒春閣)を出版した。半世紀にわたり名字を調査している高信さんが厳選した全国の珍名を紹介。北海道から沖縄県まで、高信さんと一緒に「名字の旅」を楽しめる構成となっている。

見開きで名字の由来や考察を簡潔な文章でつづり、親しみやすいイラスト付き。漢字にはルビが振られ、子どもから大人まで幅広い年代の人が楽しめる一冊だ。

高信さんは、高校生の時に趣味で名字の研究を始めた。電話帳を頼りに全国津々浦々を訪ね歩き、取材を重ねている。自ら集めた膨大な情報を基に、テレビや新聞などで名字の面白さを伝えている。

同著では、各地域で特徴ある珍しい名字にスポットを当て、47都道府県別に二つずつ紹介。合わせて、名字の由来やその土地の歴史などを解説している。さらに、それぞれ星一~五つの「めずらし度」を使って、名字の珍しさを表現した。「日本にはどのぐらいの名字があるの」「日本の名字はなぜ2文字が多いの?」など、名字にまつわる素朴な疑問にも答えている。

例えば、大阪府にいるという「東京(とうきょう)」さんは、「めずらし度」最高の星五つ。遷都に由来するという。そのほか、「珍名(ちんな)」や「浮気(うき)」など、読み方も難しい、聞き慣れない名字が満載だ。高信さんは「昔の人たちが名字を考えた発想を知ると、とてもユニークで面白い。名字の楽しさを伝え、次世代にもつなげていけたら」と話している。