食用油に洗剤…物価高で生活必需品が人気 群馬県内で中元商戦が最盛期
群馬県内の百貨店やスーパーなどで今月上旬に始まった中元商戦が最盛期を迎えている。序盤は、物価高の影響で調味料や洗剤といった生活必需品の売れ行きが例年以上に好調。新型コロナウイルスの感染症法上の「5類移行」を受け、来店客が増える変化も見られた。百貨店は来月半ば、スーパーや専門店の多くは8月半ばまで展開する。
8日にスタートを切った前橋市のスズラン前橋店は、開始1週間の売上高が前年比1割弱の増加。営業部食品課食品ギフト係の原佳弘係長は「昨年より顧客の購買意欲が増している」と実感する。
売れ筋はしょうゆや食用油、洗剤など日々の生活で使う商品。「従来は、普段手が届かない食品を贈ったりするものだが、今年は明らかに変わった」と話す。
高崎高島屋(高崎市)は約1100点を並べた「ばらのギフトセンター」を7日に開設。暑い夏に向けて「冷感」「サッパリ」をキーワードにグルメを強化した。アイスの品数を増やしたほか、かんきつ類を使った夏仕立てのケーキ、冷製スープなど体を冷やす商品を取り扱う。
節電対策として常温で保存できる洋菓子、缶詰類もそろえた。担当者は「この時季ならではの限定品や、おいしいグルメを一堂に集めている」とPRする。
GIFT創造館ヨシダ高崎店(同市)は、メロンやサクランボといった果物やゼリー、アイス、ジュースが人気。Aコープ東日本と共同で製作、企画販売するギフトカタログ「ぐんまのおいしさ発見」には、レトルト食品、漬物、麺類など県内28社の食品を掲載した。
店舗とECサイトで通常価格より最大50%値下げするキャンペーンを展開。小松正和店長(44)は「価値ある多様な商品をリーズナブルに提供している」と強調する。
スーパーのとりせん(館林市)は、調味料や缶詰、乾麺、コーヒー、ビールが中心。来月10日までに購入すると会員カードのポイントが2倍になったり、会員カードや専用アプリなどで購入すると千ポイントが当たったりする特典を用意した。
経営企画部の佐々木慎自さん(46)は「値上げされている食用油を求めやすい価格で用意している」と呼びかける。
群馬経済研究所(前橋市)の伊勢和広副部長は、一部店舗の売り上げ増の要因として「コロナ5類移行で直接手渡したい、会うからには多少高価な商品を贈りたいと考えているのではないか」と分析。一方、物価高で心理が生活防衛に向かえば、「商戦が盛り上がりに欠けることになるだろう」とみる。
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