茨城県北トレイル、世界へ発信 ヨルダン大使が満喫 豊かな自然、魅力
茨城県北6市町の里山や観光名所などをつなぐ里山道「茨城県北ロングトレイル」の周知へ向け、大井川和彦知事は16日、ヨルダンのリーナ・アンナーブ駐日大使を招き、昨年度に整備を終えた日立市や常陸太田市などのコースを歩いた。リーナ大使は、世界的に人気を集める同国の「ヨルダン・トレイル」の立役者。茨城県の豊かな自然や原風景などの魅力を海外にも広く発信したい考えだ。
県北ロングトレイルは、完成すれば県北6市町を巡る全長320キロの里山道となる。2019年度から整備計画が始まり、昨年度までに常陸太田-大子間、常陸太田-日立-高萩間などをそれぞれ巡る計105キロのコースが開通した。本年度は北茨城-常陸大宮間のコースが順次完成する予定だ。
この日は、大井川知事とリーナ大使、コース設定などを担うナムチェバザール(水戸市)の和田幾久郎社長らが参加。出発地点の御岩神社(日立市)で参拝後、御岩山への登山道を散策。山頂では県北山間部の雄大な景色を臨みながら、トレイルの魅力などについて意見を交わした。その後、高鈴山を経由し日立高鈴ゴルフ倶楽部(常陸太田市)までの約8キロを踏破した。
終了後、報道陣の取材に応じたリーナ大使は「神社やパワースポットなどが体感できる素晴らしいコース」と満喫した様子。大井川知事は「自然だけでなく、日本の原風景が感じられるという強みで、海外からも評価されるトレイルに育てたい」と意欲を示した。
ヨルダンは15年、全長約650キロにわたり国内を南北に縦断する「ヨルダン・トレイル」を整備。世界遺産に登録された遺跡や映画「アラビアのロレンス」の舞台となった景観、遊牧民の暮らしなども感じられるコースは世界中の人気を集めている。
リーナ大使は16~18年に同国の観光・考古大臣を務め、世界にヨルダン・トレイルを発信。大井川知事は「大使から多くのヒントをいただいた。県北の観光拠点として発展させるためのいい機会になった」と話した。