岩舟駅に新海ファン“巡礼” 代表作「秒速5センチメートル」の舞台 「君の名は。」ヒットで再注目
新海誠(しんかいまこと)監督のアニメ映画「君の名は。」のヒットに伴い、JR両毛線の岩舟駅に静かなブームが訪れている。監督の代表作の一つで駅が登場する「秒速5センチメートル」(2007年公開)も再注目されており、映画の舞台に“聖地巡礼”に訪れるファンの姿もちらほら。地元住民も盛り上がりを歓迎している。
「君の名は。」は5日までに国内興行収入が200億円を超え、興行収入は邦画で歴代2位となった。1位は宮崎駿(みやざきはやお)監督の「千と千尋の神隠し」(308億円)。
「秒速-」は、小学校で出会い好意を寄せ合いながも離れ離れになった男女、貴樹(たかき)と明里(あかり)の再会と心の動きなどが描かれている。岩舟は明里の転校先で、雪に覆われた駅周辺が登場する。
県内に雪が降った11月24日。ツイッターには「岩舟駅に行きたい」「今の天気だったら映画の雰囲気を味わえそう」などとの投稿が並び、実際に駅で撮ったとみられる写真もアップされた。日本出張中の10日に駅を訪れた中国・上海在住、会社員殷悦(いんえつ)さん(24)は「映画を見て来たくなった。すごく感動した」と満足げだった。
地元も注目を実感する。駅の隣にある岩舟タクシーによると、最近は駅を撮影するファンが増えている。近くに住む無職籠谷博昭(こもりやひろあき)さん(66)は「北海道や高知県から来た人もいた。岩舟に興味を持ってくれてうれしい」と歓迎した。栃木市観光協会は11月30日、ホームページの記事で映画と駅の関係を紹介。閲覧数は平均の約1・5倍と上々だ。
「君の名は。」のヒットを受け、過去の新海作品を特別に上映する映画館も出ている。県内では那須塩原市豊浦のフォーラム那須塩原が「秒速-」など3作品を16日まで上映中。森匠(もりたくみ)支配人(35)は「(3作品で)秒速が1番人気。『君の名は。』の物語と親和性があるし、県内が舞台なのも影響しているのでは」と指摘した。
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