祭頭祭へ高まる熱気 茨城・鹿嶋 3月9、11日
茨城県の鹿島地方に春の訪れを告げる祭頭祭で、当番字の二つの郷が19日、茨城県鹿嶋市内で関連行事を行った。祭頭祭は、毎年3月9日に行われる鹿島神宮最大規模の行事。今年は、神事が同9日、祭頭囃と春季祭は同11日に実施される予定。
■樫棒組み鳴らし 地域を練り歩く 粟生郷
当番字を務める粟生郷の棒揃(ぞろ)え・廻り祭頭は鹿嶋市粟生の農村集落センターを起点に開かれ、参加者200人余りが樫(かし)棒を組み鳴らして地域を練り歩いた。
廻り祭頭は、3月の祭頭祭を前に当番字の地元を回って、鎮守社や学校などで祭頭囃(ばやし)などを披露。地域の発展や五穀豊穣(ほうじょう)を祈る。この日は関係者や華やかな衣装に身を包んだ囃人(はやしびと)が、八幡神社や高松小・中などを練り歩いた。
大総督を務める深芝保育園の下田虎翔(たいが)君(5)の「進め!」の号令で同センターを出発した祭事関係者や囃人たちは、各地で十数人が一組となって、楽士隊の祭頭歌と太鼓に合わせて樫棒を打ち鳴らした。
■豊穣願う大豊竹 鹿島神宮に奉納 沼尾郷
当番字を務める沼尾郷は祭りに使われる「大豊竹(だいほうだけ)」を鹿島神宮に奉納した。
五穀豊穣を願うシンボルとされる大豊竹は、沼尾地区で掘り出された約16メートルのマダケ。縄で巻かれた大豊竹は、トラックで同神宮の大鳥居前まで慎重に運搬され、祭頭歌や太鼓の音が響く中、祭事関係者ら30人余りが竹を担いで拝殿前に供えた。
沼尾郷が当番を務めるのは、2001年以来22年ぶり。
大豊竹奉納を終えた沼尾郷祭事委員会の塚原重徳委員長は「一致団結して奉納できて良かった。本番に向けて、融和を図りながら一人一人が活躍できれば」と話した。