優れた古典彫刻知って 県立女子大で石こう像展
ㅤ学校の美術室などにある「石こう像」をテーマにした展覧会「石膏(せっこう)像を見に行こう!」が28日まで、玉村町上之手の県立女子大・実技棟ギャラリーで開かれている。美学美術史学科の複数のゼミが初めて共同で企画。学生が中心となり、石こう像を多面的に捉えて紹介している。
ㅤ石こう像は19世紀の欧州で美術学校のデッサン用教材として作られたのが始まりとされる。現在も教材として扱われることが一般的だが、石こう像に基となった古典彫刻があることは、あまり知られていない。
ㅤ展覧会はこうした石こう像に焦点を当てたもの。西洋美術史やアートマネジメント、デザイン、絵画の四つのゼミで学ぶ学生らが、チラシ制作や会場の構成・設営などに携わった。
会場には「ミロのビーナス半身像」「ブルータス大胸像」など、同大デッサン室の石こう像13点を展示しており、ずらりと並んだ“古典彫刻”は見応えがある。解説は西洋美術史を学ぶ学生が担当。学生によるデッサンや石こう取りの授業の様子を紹介するパネル、学生が制作した石こう像も並ぶ。
ㅤ東京芸術大の美術解剖学研究室など、同大以外の取り組みも取り上げている。同研究室はギリシャ美術の身体表現の研究の一環として、パルテノン神殿の壁面の浮き彫りを立体模型に起こした。本展覧会では、大英博物館にも展示された12体の模型を紹介している。
ㅤ石こう像の新たな捉え方を示しているのが「石膏ボーイズ」だ。大阪市の画材メーカーが「イケメン」の石こう像4体でアイドルユニットを結成。動画配信やグッズ販売を始め、1月にはアニメ化もされた。台本や絵コンテを展示して、美術になじみの無い人も楽しめるよう工夫している。
ㅤ県立女子大大学院生の大沢伸枝さんは「石こう像の基になっている優れた古典彫刻について知ってほしい」と話す。
ㅤ9~17時。22、23、25日は休館。入場無料。問い合わせは同大(☎0270・65・8511)へ。
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