男体山を背に伝統の芸 奥日光・中禅寺湖畔で「薪狂言の夕べ」

下野新聞
2016年7月31日

 日光開山1250年と中禅寺立木観音の天女像「吉祥天(きっしょうてん)」の初開帳を記念した「歌ケ浜薪(たきぎ)狂言の夕べ」(同実行委員会主催)が30日夜、奥日光・中禅寺湖畔の特設会場で開かれ、人間国宝野村万作(のむらまんさく)、萬斎(まんさい)、裕基(ゆうき)さんの親子3代が共演し、約1千人の観衆を魅了した。

 舞台に先立ち、中禅寺で31日から一般公開される吉祥天の開帳式が行われ、万作さんと裕基さんが除幕した。午後6時半に開演し、宇都宮市の子どもミュージカル「どりーみんぐ」は日光山輪王寺の僧侶による声明(しょうみょう)(節を付けたお経)とともに天女の舞を披露した。

 この日は好天に恵まれ、背景にそびえる男体山が夕闇に包まれていく中、野村さん親子3代による狂言「二人袴(ふたりばかま)」「六地蔵」などが上演された。

 日が暮れると、会場に隣接する中禅寺がライトアップ。湖面は街の明かりに輝き、観衆は幻想的な雰囲気の中で繰り広げられる伝統芸能を堪能し、惜しみない拍手を送っていた。

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