“花文化”で外国人誘客 あやめまつり控え潮来市

茨城新聞
2016年5月26日

アヤメやアジサイなどの“花の文化”を売りに潮来市は、外国人観光客の誘致に力を入れている。ターゲットは花を好む人が多いタイや中国からの観光客。旅行会社などに積極的にPRするほか、28日に開幕する恒例のイベント「水郷潮来あやめまつり」(6月26日まで)に合わせ、これまで英語版のみだった外国語観光パンフレットのタイ語版、中国語版を作成した。また、会場のあやめ園全域を無線LANサービスWiFi(ワイファイ)対応とし、同園やアジサイで有名な二本松寺など市内観光スポットに、4カ国語対応の映像案内機「デジタルサイレージ」を設け、外国人観光客に対するおもてなしの向上を図る。

市産業観光課によると、2月にタイ・バンコクで開かれた「タイ国際旅行フェア」で、県が出展したブースにタイ語版の潮来観光パンフレットを置いたところ「大人気ですぐに全部さばけた」(同課)という。同国の旅行会社からも、日本に花を見に行きたいという観光客が多く、関心が高いとの情報を得ており、23日には、同国のテレビ局が本県を取材に訪れて観光地を回り、潮来市のあやめ園のほか、石岡市の県フラワーパークなどを撮影した。

「水郷潮来あやめまつり」は今年65回目を迎えた。アヤメなど約500種100万株が咲くあやめ園が有名だが、ほかに、潮来市内の二本松寺では、ほぼ同時期の6月中旬~7月下旬にかけて4ヘクタールの境内に100種類1万株のアジサイが咲く。

さらに、海外の観光客に人気のサクラの花が楽しめるスポットとして、葛飾北斎が「富嶽三十六景」の一つ「常州牛堀」を描いた地とされる同市牛堀の権現山公園もある。

また、同市は成田空港(千葉県成田市)や茨城空港(小美玉市)からのアクセスもいい。潮来市は本年度、産業観光課内に国際観光グループを新設し、市を茨城観光の玄関口と位置付けて取り組みを強化している。同グループの大川優一係長は「海外の観光客が京都や大阪、富士山、東京などに飽きてきていることから、ほかの地方にマーケットが広がる可能性がある。“花の潮来”を前面に出して売り込みたい」と意気込んでいる。

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