常陸太田の魅力絵本に 地域おこし協力隊員ら制作

茨城新聞
2016年2月24日

常陸太田市の市地域おこし協力隊員と元隊員が協力し、同市の地域資源にスポットを当てた絵本を完成させた。市内を舞台に、主人公のキャラクターが自然や文化に触れながら旅する物語で、構想から丸2年かけて作り上げた意欲作。2人は「ぜひ手に取って読んでほしい」と声をそろえる。

■色取り戻す物語

絵本のタイトルは「常陸太田クレヨンの旅」。市地域おこし協力隊アーティスト隊員の林友深(ともみ)さん(27)が絵を描き、元隊員の笹川貴吏子さん(27)が文章を担当した。

小さくなった黄色いクレヨンを元気づけるため、仲間のクレヨンたちが市内を巡り、さまざまな風土と触れ合いながら“色”を取り戻していくストーリー。竜神大吊橋のこいのぼりやカボチャ、ソバ、水田風景などが取り上げられている。

きっかけは2013年冬。当時、現役隊員だった笹川さんが地域資源を語り継ぐ手段として、絵本の制作を思い付く。

「絵本を作りたい。でも絵が描けない」。そんな時、隊員に加わったのが林さんだった。笹川さんがアイデアを持ち掛けると、林さんは快諾。「常陸太田を題材にした絵本を作ろう」。2人の共同作業がスタートした。

■絵にこだわり

地域を知らなければ、始まらない。手始めに2人は市内ロケを敢行。常陸太田、金砂郷、水府、里美の4地区を繰り返し歩いた。

こうして丹念に情報を集め、絵本には自然や文化、歴史、食など「常陸太田の全てを詰め込んだ」(林さん)。

絵の表現方法にもこだわった。林さんは「地区ごとに画材も描き方も雰囲気もガラリと変えた」。4地区が持つ“色”をイメージし、色鉛筆や水彩、アクリル絵の具などで多彩に描き分けた。見開きページを生かし、色彩豊かに仕上げた。

「何度も何度も書き直した」。文章担当の笹川さんは振り返る。絵本を読みあさって研究を重ね、時には知人の助言も受けた。「伝えたい、残したい、その言葉は何かを一つ一つ見詰め直した」という。

■思いギュッと

構想から約2年。2人の思いがギュッと詰まった絵本が今月、ついに完成した。

林さんは「思いが込められた2人の合作。ぜひ多くの人に読んでほしい」と笑顔を見せる。笹川さんは地域で生きる人々に思いをはせ、「地域から地域へ、人から人へ。絵本がコミュニケーションツールの一つになって未来へと語り継がれていけばうれしい」。

絵本は協力隊として100部作成し、市内の学校や図書館などに配布予定。好評のため、増刷も予定しているという。

◇   ◇

絵本の完成を記念した原画展が28日まで、同市西二町の市郷土資料館「梅津会館」で開かれている。全ての原画と解説文などが展示され、作品誕生の背景を垣間見ることができる。午前10時~午後5時(最終日は午後2時)。

絵本に関する問い合わせは市少子化・人口減少対策課(電)0294(72)3111

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