交流拠点へ酒蔵“再生” 常陸太田・里美地区

茨城新聞
2015年12月16日

常陸太田市里美地区で使われなくなった築300年の酒蔵「金波寒月(きんぱかんげつ)」が、地域のコミュニティースペースとして生まれ変わった。地元の住民らを中心としたプロジェクトチーム(PT・菊池竹一座長)が春から改修作業を進めてきた。オープニングセレモニーが13日、同市折橋町の酒蔵で開かれ、多くの関係者らが集まり盛大に完成を祝った。

「金波寒月」は地元に親しまれた酒蔵で、約50年前に惜しまれながら廃業。しかし、酒蔵が往時の姿で残されていたことから、「地域の活動拠点として復活させよう」と住民らが立ち上がった。

地元住民らが中心となって5月末にPTを発足。ほこりまみれの酒蔵の清掃、片付けからスタートし、内装の設計や設備工事など約半年かけて修繕・改修に取り組んできた。

完成した蔵内には歌って踊れる畳のメーンステージをはじめ、素朴な味わいのテーブルやイス、飲食を楽しめるカウンターバーなどを設置。全て住民らの手作りで、温かみのある仕上がり。壁に備え付けられた棚などを含めて、当時使われていた酒造りの道具などを再利用して作ったという。

表門の表札は同地区出身で茨城書道美術振興会副理事長の吉澤石琥さんが揮毫(きごう)。吉澤さんは「小さいころの記憶がよみがえった。大変お世話になったので恩返しの気持ちを文字に込めた」と語った。

セレモニーで大久保太一市長が「地元の熱意のたまもの。多くの人が集まり地域活性化につながることを期待したい」とあいさつ。酒蔵所有者の佐川昌広さんは「感謝の気持ちでいっぱい。酒蔵を起点に輪が広がっていくことを祈っている」と喜びを語った。

地元住民らによる「トークライブ」では、昔の思い出やプロジェクトの苦労話、酒蔵活用の夢などを発表。それぞれが「にぎやかであったかい場所に」「素晴らしい空間ができると確信している」などと思いを述べた。

大成女子高吹奏楽部による演奏をはじめ、茨城大落語研究会の創作小話、華麗なダンスなども披露され、完成に花を添えた。

酒蔵は今後、「交流」「展示」「体験」「発表」を柱に据えた地域のコミュニティー・ステーション(地域活動拠点)として活用を図る考え。菊池座長は「地域の人々だけでなく市内外の人が楽しんで集える場所になればうれしい」と話した。

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