県が企画 東南アジア業者 視察ツアー 県内観光の誘客図る

茨城新聞
2015年11月8日

東南アジア諸国連合(ASEAN)からの訪日観光客増加を受け、県が加盟国の旅行業者などを招いたモニターツアーを実施している。一行は7日、鹿嶋市内で和服の着付け体験を楽しみ、鹿島神宮に参拝。9日まで滞在し、つくば市内で最先端技術などを見学する。県は同ツアーを通して国ごとの好みの違いなどを調べ、今後の旅行商品づくりに生かしたい考えだ。

政府観光局(JNTO)の推計によると、2015年上半期(1~6月)の訪日外国人数は約914万人で過去最高を記録。このうち、タイやインドネシアなどASEAN諸国からの訪日は100万人以上という。

同ツアーは、県が東南アジアからの誘客を図ろうと企画。タイとマレーシア、インドネシア、フィリピン、ベトナム計5カ国から旅行業者など10人が参加した。

一行は7日、鹿嶋市宮中の「給前呉服店」を訪れ、男性ははかま、女性は着物姿に着替え、鹿島神宮を参拝。権禰宜(ごんねぎ)の中嶋勇人(はやと)さんから鳥居の意味や参拝の作法などについて説明を受けた。

インドネシアで新聞社を経営するクリストゥパ・ウィカクサナ・サラギさんは「鹿島神宮では落ち着いて気持ちが静かになった」と満足そうな表情。フィリピンで旅行会社を経営するマーガレット・モラレス・クエンザさんは「(自国では)まだ日本に行ったことがない人の訪日意欲は高い。日本文化を実際に体感したいようだ」と語り、潜在的需要の存在を示唆した。

県観光物産課の中嶋拓人さんは「まず茨城は(首都圏から)近いということを知ってほしい。今回ツアーで出された意見を参考に次の手を考えたい」などと話した。

一行は6~9日の4日間滞在し、水戸市内の卸売市場やつくば市の筑波山の夜景なども見学する。

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