幽玄の世界 観客魅了 足利で薪能

下野新聞
2019年9月9日

「第35回足利薪能」が7日、足利市家富町の鑁阿(ばんな)寺で行われ、約670人の観客が幽玄の世界を堪能した。

足利能(薪能)実行委員会が主催。今回は人間国宝の和泉流狂言師野村萬(のむらまん)さんのほか、能楽師ら約30人が出演した。舞台は曲芸的な舞をみせる大田楽で幕を開け、地謡(じうたい)に合わせて舞う舞囃子(まいばやし)や仕舞、狂言「文荷(ふみにない)」と続いた。

終盤にはかがり火がともされ、旅に出た修験者が鬼女に遭遇する能「黒塚」が披露された。観客は幻想的な舞台で繰り広げられる演技に見入っていた。

8日は同所で「足利薪狂言」の上演が予定されている。