女や翁能面110点 笠間の県陶芸美術館

茨城新聞
2015年10月23日

能面などの制作技術を持つ石岡市在住の荻原寛さん(70)が講師を務める同市と土浦市の「面打同好会」の合同作品展が、笠間市笠間の県陶芸美術館県民ギャラリーで開かれている。荻原さんと会員約20人が出展し、趣深い面計110点が並ぶ。

 面打同好会は、水戸市内で開かれた能面展で面の世界に魅了され、独学で制作技術を習得した荻原さんが20年以上前に開講した。

 一見、無表情だが、見る角度によって喜怒哀楽が変わる女や翁(おきな)などの能面を中心に、てんぐなどの狂言面、ひょっとこなどの祭面、古典以外の創作面を展示している。

 素材は削りやすい初心者向けのキリや硬く彫が際立つヒノキで、20本近い彫刻刀を使い分けながら細部まで丁寧に仕上げ、能面は目線などを工夫することで、表情の変化をもたらす。表面は10回程度、色を塗り重ね、裏はうるしを施す。こうした工程で、制作期間は1作品当たり1カ月前後かかる。

 荻原さんは「満足できる作品を追求すれば終わりがなく、飽きない。能面などを近くで見る機会は少ないので、ぜひ楽しんでほしい」と話している。

 県民ギャラリーは入場無料。展示は25日まで。

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