《食いこ》モン ラパン(笠間市) 低カロリーのコース料理

茨城新聞
2019年2月3日

オードブル、スープ、メイン料理、デザート、パン、飲み物が並んだコース料理全部でコンビニのおにぎり約3個分。笠間市のフレンチレストラン「モン ラパン」は、一般的なフランス料理コースの3分の1程度にカロリーを抑えた「楽食メニュー」を提供する。店内は木としっくいの白による温かみのある雰囲気で、妻の典子さんが上絵付けした磁器が料理に花を添える。

オーナーシェフの佐山博昭さん(71)は「年を取ると義歯に頼ったり、1日の摂取エネルギー量が制限されたりする。誕生日や記念日を祝うレストランでの食事が一人だけ違った料理では疎外感を味わう。健康食と同じような見た目の料理を、楽しく楽に食べてもらうのが楽食」と話す。通常のフランス料理とともに、食材の選択や調理の工夫で、低カロリー食や糖尿病食、腎臓病食、嚥下(えんげ)食のコースに対応する。

佐山さんは東京のレストランやホテルで働き、途中、渡欧し料理を学んだ。1991年、旧友部町に店を構えた。2000年、現在の場所に店を移した。そのころ市内の歯科医や歯科衛生士、栄養士らがつくる「楽食の会」の活動に参加。啓発普及活動を行っている。

低カロリーのコース料理は500キロカロリー台に抑えられる。油を引かずにスプレーオイルを吹きかけ油の使用量を減らす。下味の浸透しやすい真空調理を用いる。パンにはバターの代わりにみそソースを添える。地場産などの野菜もたっぷり。食材や調味料を選び、調理に工夫を凝らし、カロリーを抑える。

糖尿病食や腎臓病食、嚥下食のコースは個人個人で条件が違うため、1週間前には予約が必要。綿密な打ち合わせを行う。管理栄養士に協力を仰ぎながらパソコンでカロリーや栄養成分を計算。タンパク質や塩分などの摂取量を把握してもらうため、客に料理の栄養成分表を渡している。

最近は嚥下食を希望する高齢者施設の利用も多いという。のみ込みやすい大きさにした刻み食やミキサー食などにして料理を出している。

■お出かけ情報
フレンチレストラン「モン ラパン」
▽住所は笠間市笠間1150
▽営業時間は午前11時半~午後2時半、午後5時半~同7時半
▽定休は火曜・第1月曜
▽(電)0296(73)0020

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