県北の魅力 食で発信 宿泊施設で限定メニュー

茨城新聞
2019年1月17日

県北地域の伝統的な食文化や地元の食材を活用して新メニューを考案し、期間限定で提供する美食イベントが17日、スタートする。県の県北地域活性化策の一環で、日立、常陸太田、北茨城3市の宿泊施設計3カ所を会場に、それぞれ工夫を凝らした料理でもてなすとともに、生産者などの歴史や思いを紹介する冊子「ストーリーブック」も3種類用意。県北の魅力を発信しながら交流人口の増加につなげるのが狙いだ。

食をテーマとする今回の取り組みは「県北ガストロノミーイベント」の名称で開催。県の県北芸術村推進事業の一環として本年度から3カ年継続で実施し、本年度の予算は1千万円。県側が3カ所の宿泊施設に協力を求める一方、県北の飲食店や観光事業者、住民などにアンケートを行って郷土料理や県北ならではの食材を調査。昨秋から食材やメニューの研究を重ねてきた。

ガストロノミーは美食を追求する学問。今回は各宿泊施設の料理人が地元で親しまれてきた伝統的な郷土食や、丹念に作られた野菜、果物、新鮮な魚などをメニューに取り込み、ちょっとぜいたくな料理として表現する。

実施されるのは、日立市東滑川町5丁目のうのしまヴィラ(17~28日)▽常陸太田市折橋町の山田屋旅館(17日~2月1日)▽北茨城市平潟町のまるみつ旅館(2月1~15日)の3カ所。うのしまヴィラはランチ、山田屋旅館とまるみつ旅館は宿泊プランで、それぞれ独自のメニューを提供する。

うのしまヴィラは、常陸太田市の有機農家・木の里農園の赤ネギや、大子町の黒田りんご園のリンゴ、サトイモを串に刺してあぶる芋串、温泉卵とサンマのまぜご飯「糧飯(かてめし)」、発酵調味料「ひしお」、久慈漁港に水揚げされる新鮮な魚などを使い、「ハレの日」に楽しめる食事をイメージしたプレートとして提供する。原田実能館主は「県北をぜいたくに盛り込んだ。食を通して県北ににぎわいができるといい」と話した。

山田屋旅館は「贅沢(ぜいたく)鍋」など、まるみつ旅館はアンコウの「どぶ汁」などをそれぞれ提供する。3月17日には酒蔵や農園などを巡りながら料理を楽しむバスツアーを開催する。

県県北振興局は「来年度以降さらに拡大し、県北への誘客を図る。アートとも絡めたい」としている。

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