石岡にウイスキー工場 木内酒造来年6月 震災被害の公民館跡

茨城新聞
2018年11月27日

石岡市は26日、東日本大震災の被害で耐震性が指摘され、使用できなくなっていた石岡市須釜の小幡地区公民館跡に、木内酒造(那珂市)のウイスキー工場が進出すると発表した。今泉文彦市長は「八郷地区の既存の観光施設と連携しながら、新たな観光スポットとして周遊ルートを検討したい」と期待している。

同市商工課によると、既に土地と建物を同社に売却し、11月から一部解体工事を開始。床や壁、屋根などを改築する予定で、来年6月のウイスキー工場稼働を予定している。

敷地面積は約4320平方メートルで、建物面積約1000平方メートル。1日約1トンの大麦を使って蒸留後に600リットル(アルコール43%)、年間12万リットル(ウイスキー瓶16万本)のウイスキー製造を見込んでいる。原料の大麦は年間200トンを使用する予定で、4割程度の約80トンは同市内の生産者に委託する計画だ。

また、2年後の2020年には、同敷地内に495平方メートルのウイスキー熟成棟を新設する予定。

木内酒造は同市下青柳の県フラワーパークの駐車場脇に人気のレストラン「Yasato de トレタ」を運営するなど実績があり、同課では「筑波山を望むロケーションが素晴らしいと評価してもらった」と話している。ウイスキー工場は地元の那珂市に次いで2カ所目となる。

同市では「観光面のほか、税収増や地元雇用が見込めること、麦や果樹などの地場産品の利活用促進のほか、市の魅力度アップ、ブランドイメージの創出など大きな効果が期待できる」と歓迎している。

使用中止となっていた小幡地区公民館は今年7月、隣接地に移転して新設された。

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