つくばみらい ワープステーション江戸 近現代ロケセット新設

茨城新聞
2018年5月30日

江戸時代の街並みを再現した屋外型ロケ施設「ワープステーション江戸」(つくばみらい市南太田、山中一郎所長)に、新たに近現代のロケセットが完成する。既にNHKが来年の大河ドラマの撮影に使用している。今回の整備により、江戸時代だけでなく、明治から大正、昭和へと幅広い時代の設定に対応できる施設に生まれ変わる。

新セットは、駐車場だった約1万平方メートルの敷地に建設された。昨年秋に着工し、現在95%が完成。6月7日に完成式典を開く予定。簡易的なセットではなく、コンクリート基礎に鉄骨造りの建造物を建てた。このため耐用年数は既存のロケセットの2倍に当たる約50~60年を見込む。

新セットは、重厚なれんが造りのビルが並ぶ区画と、昭和の下町を連想させる木造建築が並ぶ区画での2エリアで構成。建物の前を路面電車が行き来するビル群エリアは都会をイメージし、銀行や郵便局、デパート、大学などの設定が可能。これに対し木造建築エリアでは、理髪店や古本屋、だんご屋などの商店街から長屋、住宅地などの撮影ができるという。

さらにスタジオ兼倉庫を備え、全天候の撮影が可能になった。

新セットでは4月から、来年放送予定のNHK大河ドラマ「いだてん 東京オリムピック噺(ばなし)」を撮影中。5月28日には、役者やエキストラ計約130人が参加し、1912(明治45)年5月のシーンを撮影。東京・新橋駅に向かう主人公を同級生らが送り出す場面を撮った。

山中所長は「れんが造りのロケセットは日本では皆無で、上海に行って撮影することが多かった。このようなロケセットを造ることが悲願だった」と話す。

新セットの制作に携わった成島建設(つくばみらい市)の成島高雄社長は「これまでのノウハウを生かしながら、いろんな時代をリアルに再現した。ロケの需要がますます高まるのでは」と期待した。

新セットの一般公開は、スタッフの手配や安全対策などから、来年1月以降になる見通し。

★ワープステーション江戸

江戸時代の街並みを再現したロケ施設。敷地面積約4・8ヘクタール。NHKエンタープライズ(東京)が運営する。NHK大河ドラマや連続テレビ小説など時代劇を中心に、ドラマや映画、CMなどの撮影や準備などに使われている。現在は年間約250日ほど関係者が出入りしているという。撮影で制限される場合もあるが、施設内は有料で一般公開されている。月曜定休(祝祭日の場合は翌日)。

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