《食いこ》青木酒造(古河市) 原料、県産米にこだわる

茨城新聞
2018年1月28日

古河市内で唯一の酒蔵で、地酒「御慶事(ごけいじ)」を製造する。専務の青木知佐さん(27)は「できるだけ地元で育った米で造りたい」と酒造りのこだわりを話す。JR古河駅から徒歩約10分、江戸時代から使用していた酒蔵が残る。明治時代に建築された店舗にはふらりと客が来店する姿も。1831(天保2)年創業以来、地元で愛されてきた。

「米の風味はしっかりと、甘味を残しまろやかな味を目指している」。「御慶事」は3代目当主が大正天皇の成婚を祝い「最高のよろこびごと」との意味を込め命名した。原料の酒米は、県産の「ひたち錦」や県ブランド米「ふくまる」「雄町」などを使い、酵母も県産だ。

「純米吟醸 ひたち錦」は、市販酒の品評会日本酒部門で最高賞など受賞を重ねる。良い酒を造れる原料を探すのではなく、地元の原料で良い酒を造りたいというのがこだわり。「地元の米で造り続け、評価してもらえた」と振り返る。2017年度産の受賞酒を含む看板商品は完売。「旅先で地のものを食べるのと同じように、お酒も地元の味わいを楽しむ人が増えている」と時代の変化も感じている。

この日は日本で最も古く、酒造りの技術を集結した酒が競い合う「全国新酒鑑評会」に出品する勝負の一本を仕込み始めていた。4年連続で金賞に輝いた大吟醸だ。38%精米で米粒は小さく丸い。発酵に適した条件の一つは品温を10度以下に保つこと。一番冷え込む2月にかけてが最適だ。

仕込み蔵は昭和40年代に建てられた5階建て。専用のこうじ室は室温約30度程度と暖かい。90キログラムの蒸米を箱に入れる。種こうじを振り積み上げ、十数枚の布やビニールで隙間なく包む。子守をするように48時間にわたり温度や湿度を管理し、こうじ菌の繁殖を促していく。塊をほぐし、かき混ぜる蔵人の手拭いに汗がにじんだ。

酒造りを担うのは最高責任者の杜氏(とうじ)1人と蔵人2人。当主や社員が杜氏を務める小規模蔵元が多い現代。3人は、福島県と北海道から酒造りの時期だけ住み込む「職人」だ。13年から杜氏を務める箭内和広さんと酒蔵の実現したい味の方向性が一致。近年、国内外の品評会で受賞を続けている。「他の酒蔵より和気あいあいとしていると言われる。楽しみながら造っている」。職人の人柄や現場の雰囲気が味に現れるという。いつも誰かの「よろこびごと」に寄り添うお酒。「家族経営で県内でも大きい蔵ではない。目の届く範囲で製造を丁寧に」を心掛けている。

購入や注文は直売のほか、小売店やオンラインショップで。春らしいパッケージの「純米吟醸 生酒しぼりたて」は期間限定品でフレッシュな味わいが楽しめ、「フルーティーな香りが特徴。ワイングラスでチーズと一緒にどうぞ」

■お出かけ情報
青木酒造
▼古河市本町2丁目15の11
▼営業時間は午前9時~午後5時
▼定休は日曜・祝日
▼(電)0280(32)5678

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